服用している生薬の数と生薬治療開始後の患者の生存期間は強い正の相関関係を示しており (r2 = 0.3575, p < 0.0001)、使用している生薬数が多いほど生存期間が長い。 それに対して他院で肝細胞がんと診断を受けてから生薬の治療が始まるまでの 期間と生薬の種類の数に相関関係は認められず(r2 = 0.000, p=0.941)、 肝細胞がんと診断を受けてからの生存期間と服用している生薬の数は相関関係を示している。 (r2 = 0.288, p < 0.0001)これらの事実は、生存期間の延長が、患者の選択や過去の治療の影響でなく、 生薬そのものの影響であることを示している。
治療に使用した生薬の数と患者の生存期間は強い正の相関関係を示した。 (p < 0.0001)4種類以上の生薬治療を受けた患者群は、3種類以下の 生薬治療を受けた患者群に比べ有意に生存期間が長かった。(40.2カ月 対 6.4か月、p < 0.0001) この生存期間の差は、両群の背景肝の肝機能、腫瘍進行度、診断から治療開始までの期間、過去の治療歴、 併用治療といった因子の差に左右されるものではなかった。 最も治療効果が認められたのは、冬虫夏草を含む4種類以上の生薬治療を受けた患者群であった。