食事アレルギーとは別に、アトピー患者が全般に食べたり、飲んだりしては いけない物に、チョコレート、コーヒー、ココアがあります。
これらの嗜好品は血管壁の刺激物質であり、特に私の医師としての 長年の経験から申し上げると、チョコレートを食べている子 供さんは、どんな治療をしても絶対によくならないどころか、持続的に 悪化していきます。大人ももちろんですが、子供さんのチョコレートは厳禁です。
それからお菓子については、朝から晩まで、缶ジュース、缶コーラや お菓子をしょっちゅう口に運んでいると、骨の発育が悪くなったり、ひどい場合、自家中毒 (嘔吐、食欲不振、るい痩など)を招きますので、全体量を制限してください。
先述したように13歳以上の成人では食事アレルギーが皆無になるとは 申しませんが、食事アレルギーがうんと少なくなります。 しかし、深夜までテレビを見てお菓子や、インスタントラーメンを食べるのは厳禁です。 お菓子よりもむしろ「寝不足、過労、ストレス」は、アトピー性皮膚炎を悪化させる元凶です。
受験勉強をやり始めると急にアトピー性皮膚炎が悪くなったり、就職して 非常に気を使う仕事についたり、気難しい上司のもとで仕事を始めたりすると、 皮膚炎が悪くなる例があります。世間一般では、食事アレルギーの究明が アトピーの治療の一つとして非常に強調されている反面、この精神的な面は あまり注目されていませんが、これもアトピーの治療にとって 大切なファクターの一つだということを忘れないでください。